御頭神事(高向大社)

2月第2日曜日に高向の御頭神事が8:00より行われます。(三重県伊勢市)
高向の御頭神事は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
御頭神事は疫病や悪魔祓いを祈願して獅子舞が踊り続いたと言われてます。
平安時代に始められたとされています。

会所に大社・鏑社の2つが6:30に集合します。会所で挨拶の後、6:45より御頭行列が出発します。
行列の順は、奉(大社)、鉾持、楽吊(鏡持)、口取、御頭(氏子総代)、奉(鏑社)、
鉾持、楽吊(鏡持)、口取、御頭(氏子総代)、杉太夫・神楽衆
高向大社で8:00より祭典が行われ、その後に日和見(大社・鏑社)が9:00より行われます。


御頭とは獅子舞の事です。神前前には雄と雌の獅子頭が置かれています。
神前横では、囃子方が座ります。


日和見(大社・鏑社)が終わると、石を敷き詰めた神前で七起こしの舞の奉納があります。

七起こしの舞とは、7つのストーリで構成されています。八岐大蛇を題材にしたストーリです。
獅子舞の7つのストーリは、一場面づつ分けられています。
最初は、雄(カミサン)が踊ります。続いて、雌(カブラ)が踊ります。

獅子舞が八岐大蛇となって出現した舞から始まります。
一。「おこし」 八岐大蛇がクシナダ姫を生け贄にする様子
二。「にのこうじ」 八つの酒樽にクシナダ姫の美貌が映り喜ぶ様子
三。「りんがん」 八つの酒樽の酒を飲みほす様子
四。「きりびょうし」 八岐大蛇が酒に酔いつぶれ暴れ回る様子
五。「とりまめ」 とうとう八岐大蛇が酔い寝てしまう様子
六。「かみいれ」 素戔嗚尊が現れ、八岐大蛇が退治され剣を得て神に変わる様子
七。「すらへその一・二」 神となって天に向かい悪魔祓いを行い結びの舞

獅子頭の重さは、30Kあるそうです。
舞手は、10年交代らしいです。2011年は交代の年で、初めて舞ったそうです。
その為、時間に問題が…大幅に遅れていました。それとも毎度の事なのか…
踊りの舞は常に、左回りで踊られています。


七起こしの舞が終わると、松明が雄雌の前を先導し、太鼓や囃子方と共に移動します。
高向大社を大社・鏑社が11:00(実際は11:45頃)に出発し、
小殿社拝礼した後に、それぞれの地域に向かいます。
かけ声は、えっとぉ、えっとぉ…


ここから御頭神事の手順が複雑になりますので、23年度の【計画表】を載せておきます。

布久目物が始まります。布久目物とは、大社・鏑社が地域の家を回り、ご祝儀などを集めます。
ご祝儀をいただいた家には、獅子舞が2度、お辞儀をします。かけ声は、えとぉ、えとぉ…


それぞれの地域を回ると最初の祷屋に行きます。※大社の方です
各自が獅子頭を担ぎ、左右に振ります。
重量、30Kを担いで左右に振るので足下はフラフラ。左右のロープで支えています。
この時に発する言葉は、それぞれの役柄の名前だそうです。


続いて、獅子頭を若衆が奪おうとする進行があります。
獅子頭を取られまいと上役は必死に守ります。


一度目は、若衆は輪を組んで近づき各自が突撃。二度目は、2組の輪になり時間差で突撃。
三度目は、1組の輪になっての攻撃かと思わせて、後ろから3名程突撃、前後の攻撃と…


そして七起こしの舞の奉納があります。
七起こしの舞が終わると、口取り舞の奉納があります。大社の方は、天狗面です。
口取り舞では、火の回りを右回りに3周。左、右と2回移動します。
口取り舞は、それぞれの祷屋でしか行われません。


祷屋での舞が終わると、2度目の布久目物が始まります。
大社の方が終わり鏑社に行くと、ちょうど七起こしの舞が始まる頃でした。
七起こしの舞が終わると、口取り舞の奉納があります。鏑社の方は、能面です。
口取り舞では、火の回りを右回りに3周。左、右と2回移動します。
口取り舞は、それぞれの祷屋でしか行われません。



祷屋での舞が終わると、2度目の布久目物が始まります。
大社・鏑社の両方が会所に集まります。
※会所の中には、以前に使われていた雄雌の御頭が置かれています。
雄と雌の獅子舞が。2つの獅子舞による各自の担ぎまわしが繰り広げられます。
会所で、七起こしの舞が鏑社・大社の順にあり、3度目の布久目物が始まります。
ボンドに到着すると、御頭が夜用の衣装に着替え受取渡しが行われます。
ここから打祭りが始まり、切り祓い、お方踊りがあり打祭りが終了します。
会所横には、3Mほどの松明があり、打祭りでは松明に点火します。
この時間帯までいると帰れないので、ここまでです。


2011年におこなわれた「御頭神事」の様子です。

〜高向大社〜
近鉄「宮町駅」下車。


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