面掛行列(御霊神社)

9月18日に御霊神社で面掛行列が行われます。(神奈川県鎌倉市)

正式名称は御霊神社例大祭です。五穀豊穣・子孫繁栄などを願います。無形文化財に指定されています。
例祭(12:00)湯立神楽(13:00)面掛け行列(14:30頃)※雨の場合は行列が中止になる事も。
面掛け行列には十人衆がいて、爺・鬼・異形・鼻長・烏天狗・翁・火吹男・福禄・阿亀・女(産婆)です。
面は伎楽の面が原型とされています。
御霊神社の面掛け行列は鶴岡八幡宮の放生会の時におこなわれていた面掛行列からだそうです。
現在は、御霊神社の面掛け行列のみ存在しています。奇祭とも呼ばれています。


神事は本殿の中でおこなわれているので見えません。
斎場となる場所には中央に山と呼ばれる幣束や紙垂が飾られています。神事の途中、釜を祓います。


神事の後に湯立神楽です。※鎌倉神楽とも呼ばれています。
湯立神楽は、800年以上前に京都の石清水八幡宮から鶴岡八幡宮に伝えられて全国に広まったとされています。
御霊神社では古式からの湯立神楽が残って、現在の鎌倉神楽となっているようです。
湯立神楽は五穀豊穣の作物の吉凶を占います。神楽が8座〜12座あるようです。※以前は30座ほどあったとか。
御霊神社の湯立神楽は神職さんがされます。

羽能(はのう)
白い米を四方にまき、斎場を清めます。
御祓(おはらい)
斎場及び参列者を祓い、神様に降臨してもらう儀式です。
御幣招(ごへいまねき)
斎場の山に神様を招き入れる儀式です。


湯上げ(ゆあげ)
湯立の釜より新湯を桶に入れ神前にお供えする儀式です
中入れ(なかいれ)
参列者に、お神酒やお赤飯が配られます。
掻湯(かきゆ)
御幣でかき混ぜ釜底から上がってくる湯の泡を見て、今年の吉凶を占います。


大散供(だいさんく)
二人舞で、清め祓いです。最初におこなわれた羽能の二人バージュン。


笹舞(ささまい)
釜の湯に笹を浸し1度だけ振り払います。それを四方に。なので4回。
※これがこちらでの笹で湯をまき散らす儀式です。


射祓(いはらい)
四方と天に矢を射ます。その矢は開運の御神矢としていただけます。


剣舞(けんまい)   毛止幾(もどき)
赤面が鉾を持って九字を切り、諸々の願いや災いを清めます。
黒面が赤面の真似をして、面白おかしく場を和みます。
お供えしてある飴を四方に投げたり、投げなかったり笑いをさそいます。
ちなみに赤面は天狗です。黒面は山の神です。


続いて、メインの面掛行列です。囃子連、天狗の面の猿田彦・獅子頭が。


面掛は、爺・鬼・異形・鼻長・烏天狗・翁・火吹男・ 福禄寿・おかめ・産婆。
雅楽さんや神職さん神輿も巡行します。


面掛は、全員、男性が演じます。おかめ・産婆は本来女性ですが…
おかめは人気があり、おかめのお腹をさわると御利益があり、子宝に恵まれるとか。
お腹にさわれるのは女性だけです。


行列に剣鉾がありました。剣鉾は京都市を中心に周辺にあるだけと思っていたのですが鎌倉にも。
巡行されている人に紙を見せてもらったところ「御鉾」になっていた。


行列には神具や囃子連など榊や幟なども。稚児行列もありました。お稚児さんは戻るとお菓子が。
御霊神社に戻ると御魂を返す神事が。


鎌倉神楽、一座一座、宮司さんが説明して下さいますので分かりやすいです。
面掛行列は、出発地点に戻ると面や被り物を取られますので、神社までは面なしです。


2017年におこなわれた「面掛行列」の様子です。

〜御霊神社〜
JR「鎌倉駅」下車・江ノ電「長谷駅」下車、徒歩5分。


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