万部おねり・二十五菩薩来迎会(大念佛寺)

5月1日〜5日まで大念佛寺で万部おねり・二十五菩薩来迎会が13:00に行われます。(大阪府大阪市)
平安時代に人々は極楽浄土に往生したいと願望が広がり、来迎図が盛んに描かれるようになりました。
そして菩薩の面や衣装を身に付け往生を体験するまでになりました。これを聖聚来迎会と言います。
菩薩の面や衣装をつけ、自ら行者となり来迎の儀式を行い、
有縁無縁諸霊の追善を壇信徒と阿弥陀経を読み、万部会が始められました。
聖聚来迎会と万部会が合体して万部おねりになったとされています。
毎年1日〜5日まで5日間おこなわれます。

万部おねりの二十五菩薩は、阿弥陀仏の本願である衆生を一切の苦悩から解き放ち、
真実にめざめさせるという活動を手助けするために、二十五の姿をとって表現されています。


本堂のまわりには舞台(来迎橋)が作られています。
  

最初は稚児さん。そして壇信徒さんが詠躍歌舞や御詠歌で…雅楽の列などが続き、万部輿が続きます。
  

その後は、二十五菩薩です。=配布紙より抜粋=
観世音(かんぜおん)菩薩 大慈悲心をもって衆生をあらゆる災難苦難から救う。
勢至(せいし)菩薩 知恵をつかさどり衆生に菩提心を起こさせる。
薬王(やくおう)菩薩 衆生を病苦から救い安楽の地に住まわせしめる。
薬上(やくじょう)菩薩 衆生に良薬を与え心身の病苦を除く。
普賢(ふげん)菩薩 理知と慈悲心の徳により衆生を救ってくれる。
    
金蔵(こんぞう)菩薩 事の成就の為に堅固不変の精進が必要で金剛の様に強健不退の徳を施す。
獅子吼(ししく)菩薩 法を説き衆生はこの声に従うよう自ら仏道を説く。
華厳王(けごんおう)菩薩 色とりどりの華によって荘厳せられる蓮華蔵世界の王。
虚空蔵(こくぞう)菩薩 無限の慈悲により福と智の二蔵を以って衆生の求めに応じ利益を与える。
徳蔵(とくぞう)菩薩 善根功徳の大徳所蔵するといわれ衆生の願いに応じて施す。
    
寶蔵(ほうぞう)菩薩 南無阿弥陀仏の名号その功徳法を施す。
法自在(ほうじざい)菩薩 仏の法を自在に求め衆生のために施す。
金剛蔵(こんごうぞう)菩薩 堅固な菩堤心を蔵しあらゆる煩悩を断ち一切の困難に耐えさせる。
山海慧(さんかいえ)菩薩 山海の仏日の様に輝き智慧も山海の様に無限広大な神秘を具える。
光明王(こうみょうおう)菩薩 知恵を象徴し輝きを持ち心と身から出る具体的象徴の光を備える。
     
陀羅尼(だらに)菩薩 神秘的な力があり衆生に仏の教えを説きつづける。
衆宝王(しゅほうおう)菩薩 煩悩を断ち衆生の軟弱な菩提心を堅強にする。
日照王(にっしょうおう)菩薩 暗夜を照らす日天のように煩悩の闇を照らしそのわざわいを救う。
月光王(がっこうおう)菩薩 月光を純真無垢に宝珠として観じ熱毒に病む衆生に清涼を得させる。
定自在王(じょうじざいおう)菩薩 自由自在に仏と共に絶対の安らぎを与えてくれる。
    
三昧王(さんまいおう)菩薩 衆生の乱れる心を統一し心安らかに安定の境に導いてくれる。
大自在王(だいじざいおう)菩薩 神変無碍自在の徳をもって一切衆生を救いとる。
白象王(びゃくぞうおう)菩薩 菩薩の王でありその力量は智慧の働きにおいて功徳も秀でている。
大威徳王(だいいとくおう)菩薩 悪を制する大威の勢いと善を守る大徳の功を衆生に施す。
無辺身(むへんしん)菩薩 永久無辺いつでもどこでも果てしなくいます。
    

その後は、僧侶さんらが続きます。
  

本堂の中に入られると菩薩伝供式があります。
菩薩さんが左右に5菩薩づつに別れ、祭壇に献花をしていきます。
献花するのは紙の花で、菊・菖蒲・百合・芍薬・蓮です。
法要では、世界平和・万民快楽・交通安全の祈願もあわせて行われます。


すべての法要が終わると還御します。
還御は、入御した菩薩が極楽から娑婆世界へ帰り、苦海に沈む人々を救済しに行きます。
還御では、稚児列や壇信徒列はなく、雅楽の列から始まり、散華の意味だと思いますが紙をふりまき続きます。
その後に、二十五菩薩さん僧侶さんが続きます。
  

2012年におこなわれた「万部おねり・二十五菩薩来迎会」の様子です。

〜大念佛寺〜
JR「平野駅」下車。


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