2020大阪城の秋まつり(大阪城天守閣前本丸広場)

11月21日〜23日まで、大阪城天守閣前本丸広場で大阪城の秋まつりが行われました。

大阪城は秀吉が天下統一の拠点として築いた城ですが、
信長の家臣であった秀吉が初めて城主となった城が長浜城で、
両城は秀吉が作った城という縁で昭和58年に姉妹城提携を締結しました。
今回のイベントでは、長浜城主時代の秀吉にまつわる伝統芸能などの上演を行い、
秀吉が出世街道をひた走る出発点となった長浜や、秀吉ゆかりの地の魅力を紹介します。

21日、伊勢大神楽/長浜曳山祭(三番叟・浄瑠璃)。
22日、立体講談/火縄銃演武。23日、幸若舞/鍛冶屋太閤踊り。
司会、MCの方です。


「伊勢大神楽」山本勘太夫社中(国指定重要無形民俗文化財)

伊勢大神楽は、獅子舞と放下芸(曲芸)で構成される神事芸能で、桑名城下に近い太夫村で伝承されてきました。
江戸時代には、伊勢大神楽の太夫たちは伊勢神宮(内宮)に属し、伊勢神宮の神札を配りながら神楽を披露し、
伊勢信仰を広め歩きましたが、彼らはもともと近江国の守護大名であった佐々木六角氏の一族であったといい、
六角氏が織田信長によって滅ぼされたあと、太夫村を開発して移り住んだと伝えています。
現在は5つの社中で伊勢大神楽講社を組織し、1年かけて西日本各地を巡り歩き、神楽を披露していますが、
いずれの社中も、正月元旦に滋賀県で舞初めを行ない、1年の回壇の旅をスタートさせるなど、
近江国との深い関係は今なお続いています。

伊勢大神楽の演目は、これだけあります。
鈴の舞/四方の舞/跳びの舞/扇の舞/綾採の曲/水の曲/楽々の舞/吉野舞/手鞠の曲/
傘の曲/剣の舞/神楽舞/献燈の舞/玉獅子の曲/剣三番叟/魅曲






「長浜曳山祭」三番叟・浄瑠璃(国指定重要無形民俗文化財)

長浜市に伝わる長浜曳山祭は、日本三大山車祭の一つに教えられ、豊臣秀吉が長浜城主だった時代に、
初めての男児が誕生したことを祝福して始められたと伝えられています。
最初は武者行列であったものが曳山が加わり、18世紀前半には歌舞伎狂言が行われるようになりました。
曳山の正面にある舞台で行われる子ども歌舞伎は、長浜曳山祭一番の見所と言われています。
今回の演目である「三番叟」は歌舞伎舞踊で、能の翁や能狂言の三番叟を移した儀式舞踊です。
開演や開場の際に演じられ、曳山祭でも必ず一番山の歌舞伎の前に演じられます。



「幸若舞」(国指定重要無形民俗文化財)
幸若舞は、室町時代に流行した「曲舞」と呼ばれる芸能の一種で、
越前国丹生郡西田中村を本拠とした桃井直詮によって創始されたと伝え、
直詮の幼名が「幸若丸」であったことろから「幸若舞」と呼ばれるようになったといわれます。
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康らに愛好され、江戸時代には武家の式楽となりました。
直詮の子孫は「幸若氏」を称し、弥次郎・八郎九郎・小八郎の3家に分かれて西田中村に住み、
いずれも幕府に召し抱えられ、3家交代で幕府の御用を務めましたが、
明治維新で幕府が滅ぶとともに廃業を余儀なくされました。

室町時代から戦国時代にかけて大いに流行した幸若舞は各地に伝播しましたが、
現在伝承するのは福岡県みやま市瀬高町大江の大頭流のみが、
昭和51年国指定重要無形民俗文化財に指定されました。
大頭流の幸若舞は、
天正10年に幸若弥次郎の弟子筋にあたる大沢次助幸次が筑後・山下城主の蒲池鎮運に招かれたのを機に、
伝承されることになったと伝えています。

秀吉の主君であった織田信長が「敦盛」を好み、
永禄3年桶狭間の戦いに出陣する際にも「敦盛」を舞ったことは夙に有名で、
テレビ時代劇や映画などではそのシーンをたいてい能の「敦盛」で表現していますが、
信長が実際に舞ったのは幸若舞の「敦盛」でした。


「鍛冶屋太閤踊り」
太閤踊りは、長浜市旧浅井町の鍛冶屋集落に伝承されてきました。
秀吉が賤ヶ岳の戦いを前に、古くから鍛冶が集住していたこの村に槍を注文し、戦いに勝利したことから、
村の鍛冶師たちの合戦への貢献に感謝して、
秀吉は夫役を免除するとともに、槍一振りを与えたと伝えられます。
鍛冶屋の草野神社境内の豊国神社には、戦前まで、この時拝領した秀吉の槍が安置されてきました。
太閤踊りは、秀吉から恩賞を得た村人たちが喜びを表現して、始めたものと伝えられています。

少子高齢により踊り手不足のため、2000年を最後にいったん踊りは休止となっていましたが、
2019年から滋賀県立大学や和太鼓グループの協力を得て、再興がはかられました。

今回、この駆け上がれ!秀吉〜大阪城の秋まつりに行った目的が、鍛冶屋太閤踊りです。
こちらが祭事を撮り始めていた頃にはすでに中止されていました。




「2020大阪城の秋まつり」の様子です。

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