吉原の万灯籠(伊佐津川/大和橋付近)

8月16日に、伊佐津川の大和橋付近で吉原の万灯籠が行われます。(舞鶴市)
昔、舞鶴に大量のクラゲが発生しました。
その為に漁師は海に出られずに、海の神を鎮めるために海に大火をつけたと言い伝えられています。
吉原の万灯籠(まんどろ)は、その他に海難事故を祈願する為に行われています。
舞鶴には愛宕神社があり愛宕信仰が広まった頃が万灯籠の原点だとも言われています。


伊佐津川上流の大和橋付近に万灯籠本体がありました。当日の朝から万灯籠作りが始まります。
高さ14M。幅4・5M。巨大な灯籠は竹と縄で作られています。中心になる太い竹。上部には枝葉を残します。
その側に2つの竹。横を8本の竹を。8本の竹の先端には、松明が付けられています。
全体の形は、魚の形のようになります。


万灯籠は、吉原地区の方々が集まり全員で朝代神社に行き、お祓いを受け万灯籠に付ける大きな御幣を授かります。
円隆寺で松明に点火する火を授かります。伊佐津川大和橋付近では吉原婦人会の方々が盆踊りを踊ります。
朝代神社・円隆寺に行った吉原地区の青年が、大和橋付近まで戻って来ます。
先太鼓が打ち鳴らされ松明を持った青年達が駆け足で移動。一旦、漁連まで行き再び大和橋に戻ってきます。
大和橋を渡り上流の伊佐津川から川に入ります。


松明を持った青年が川に入り左右に別れて待機します。続いて万灯籠を川の設置場所に持って行きます。
川の中程に、あらかじめ篝火が置かれている所が設置場所です。横になった万灯籠に火を移していきます。


14Mの万灯籠を立たせる準備が始まり、徐々に万灯籠が立ち上がります。
横にはワイヤーが2本取り付けられ、傾きなどの調整をします。万灯籠が川中に立ちました。


次に川の中央で万灯籠を回します。ワッショイワッショイとの掛け声で回します。
それぞれに役割が決められていて回す人、水をかける人と。
松明には、花火も付けられていて、火の演出が施されています。その為に、火の粉や花火が頭上に舞い落ちます。
万灯籠を多く回せば、祈願が叶うとされています。最初は、左右にふらつきながらも…回す回数は決められていません。


火が消えかける頃が終わりかけとされ、その頃に万灯籠の上に数人の人が上がります。
万灯籠を何処に倒すかの作業に入ります。
万灯籠が川に倒れ火が消えると、最初に置いてあった場所に万灯籠を戻し、川から青年達も戻ってきます。


伊佐津川の岸は、30分ほど前から場所取りが始まります。
万灯籠は、雨の日でも行われていて、舞鶴の他にも若狭でも行われているようです。


2009年に行われた「吉原の万灯籠」の様子です。

〜大和橋〜
JR「西舞鶴駅」下車、バス「大森町」下車、3分。

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