佐伯灯籠(稗田野神社)

8月14日に、稗田野神社で佐伯灯籠が行われます。(亀岡市)
佐伯灯籠は、五穀豊穣と盂蘭盆行事が合わさった夏祭りです。国の重要無形文化財に指定されています。
稗田野神社・御霊神社・若宮神社・河阿神社の四社の祭事です。
佐伯灯籠は当番を集落ごとの輪番制をとっています。
現在は「五輪番半」上佐伯・下佐伯・天川・吉田・山内と、太田は2年に1度。


さすがに、ここは佐伯灯籠が有名なのでバス停は灯籠形の建物。
2011年は下佐伯が輪番制の当番らしく、当屋には、神灯籠・台灯籠が置かれています。
佐伯灯籠の本祭では、最初に当屋で人形浄瑠璃が行われます。
人形浄瑠璃は、35cmほどの串人形で、人形は文楽以前の形態を残すものとして貴重らしいです。
黒子姿の人形遣いが人形を操り、語りの太夫さんと三味線の人が加わって人形浄瑠璃が行われました。
人形浄瑠璃が終わると、当屋で出発式です。伊勢音頭を唄います。


指子竹を先頭に台灯籠・神灯籠が稗田野神社に向かいます。
途中、上佐伯の指子竹・神灯籠が加わり、神灯籠の合流場所に。
御神酒をいただき、これから始まる祭事の健闘を称え…


稗田野神社には神輿や台灯籠・神灯籠が置かれています。
台灯籠・神灯籠は、8月7日の籤取り式で輪番の地域の灯籠宿が決まると
灯籠を迎え入れ灯籠破りの間、祀ります。
灯籠宿は、出産や新築祝いなどがあった家から選ばれます。
稗田野神社で神事が行われ、祓いの後、神輿に御霊を移し出発式が行われます。


神灯籠は五基あり、1年間の稲作の様子を人形で再現。
一番「御能」/二番「種蒔き」


三番「田植え」/四番「脱穀・臼摺」/五番「石場搗」


出発式が終わると、稗田野神社から御霊神社に向け行列が出発します。
ここから大太鼓や神輿が加わります。


途中、若宮・河阿神社の行列と合流。御霊神社に行列や神輿が入り神事が行われます。


神事が終わると、松明行事が行われ、大松明に火がつけられます。


鳥居前では、人形浄瑠璃が行われます。拝殿と鳥居の間を神輿を担いで3往復ほどします。


時間になると、各地区の氏子地域を大太鼓・神輿・神灯籠が巡行します。巡行は車列です。
車列が行くと、以前に行われていた川下りの行事があります。
昔は、神輿を載せ、船で御霊神社〜稗田野神社付近まで行ったのです。
この川下りを行っていた堤沿いの辻柴篝(4箇所)に火をつけていきます。
最後の地点で出迎えがあり、行列は稗田野神社に向かいます。

車列とは別に台灯籠は、大庄屋跡前で3度目の人形浄瑠璃をします。


この後、佐伯灯籠は夜の祭事となります。夜の祭事をすべて撮ると帰れませんので、この先の流れです。
18:00より佐伯灯籠資料館では人形浄瑠璃が6演目おこなわれます。
車列が稗田野神社に還幸後、四社の祭事が18:00頃にあります。
21:00頃に「太鼓がけ・灯籠追い・灯籠吊り」があります。夜の祭事は、勇壮な夏祭りに変わります。
最初に神輿が参道で大太鼓にのしかかる「太鼓がけ」を2度。
次に神輿が神灯籠を追う「灯籠追い」を2度。「みょうねんど、明年度、あれ名残惜しやの」と囃ながら神社に。
最後は指子竹を地面に叩きつける「灯籠吊り」が行われます。この頃は23:00頃。
「みょうねんど、明年度」と囃ながら灯籠宿に帰ります。
灯籠宿に帰り、地蔵盆までに神灯籠の紐を解いて解体し紅白の竹を世話になった方々に配ります。
竹は魔除けや無病息災に良いとされ、家の門口に掛けられます。

この佐伯灯籠の祭りの時に来客に振る舞うのがトリ貝鮨です。
トリ貝の真ん中に穴を開け鮨飯の尖った部分を穴の上に…
これは陰陽和合を表していて、トリ貝が女性、鮨飯が男性を表しています。
女神が御霊神社。男神が稗田野神社。
女神が男神に…夜這いをかける祭りとも言い伝えられています。


このトリ貝鮨を食べられました。それは、「南丹・愛しき文化応援団」さんのツアーに参加出来たからです。
亀岡駅からバスで行く際に、たまたま御一緒だったので、ラッキーだったと思います。
その節は、ありがとうございました。


2011年におこなわれた「佐伯灯籠」の様子です。

〜稗田野神社〜
JR「亀岡駅」下車、京阪京都交通バス「国道佐伯」徒歩5分。

京都府、8月の歳時記
inserted by FC2 system