糠塚の神縄座(浄土寺)

2月11日に浄土寺で糠塚の神縄座が行われます。(宇治田原町)
神縄座(カンジョウナワ)は何のために作るかと言えば、
集落の入口に置くことで災厄など外部からの侵入を防ぐためと言われています。
このような風習は、南山城一帯で多く行われています。
中でも、糠塚の神縄座は最大らしいです。


糠塚の神縄座は、その年の当屋の担当で、地域の人達と縄を作ります。
作られる場所は、自治会の公民館前です。
昔は、各自の当屋で作られていたようです。
1本づつ、巨大な藁。大蛇とも言う。頭から尻尾までは、8.5Mです。
これを2本目、3本目と作り、ねじるように巻き付けていきます。
長さが8.5Mと言うのは、竹が7Mだからです。
※もしも竹が10Mなら、10M以上になると言うことです。
行ったときは、ちょうど休憩中で、2本の縄が完成していました。
大縄に仕上げるために、小さな藁を束ねたものを作ります。
シキミも置かれていました。


3本目の縄が作り始められました。
1本の大きな長さの藁は、小さな藁の束を重ねていったものです。
少しづつ最後尾に束を入れて、縄でバラけないように結びます。


3本目の長い縄が出来ると、一旦休憩。甘酒が振る舞われました。
次に、3本の絡まった長い藁に12本の竹を刺し込みます。
竹には、細工がしてあり、竹の中に縄が入れられています。
竹を縄に通し、縄を上下に取りだします。上部は結び、落ちないようにします。


下部にシキミを前後から、12段まで入れていきます。


その後は、シキミが落ちないように結び、縄を編み目のように編みます。
最後に、中央に札を入れ完成です。


完成すると、
公民館の隣の浄土寺住職さんが
祈祷を16:00より行います。
焼香は当屋さんの家族など、
糠塚の神縄座に携わった人がされます。
祈祷が終わると、
当屋さん達の記念撮影が行われます。


すべて終わると、この神縄座(カンジョウナワ)を
集落の入口に持っていきます。
その為に、前後の縄を折り畳むようにします。
巨大な藁の縄に、4本ほどの竹が入れられ、担ぐ準備をします。


集落の入口まで、前に2名が露払いで、竹を地面に叩きながら行きます。
この後を、巨大な藁の縄が。お茶畑を横切って行きます。


集落の入口、カンジョウノモリには、
藁の縄の他、竹も置かれています。
毎年、同じ場所に置かれるので
以前の藁の縄が残っています。


カンジョウノモリに神縄座(カンジョウナワ)を運び込みます。
神縄座を置くと行事は終了します。


2009年におこなわれた「糠塚の神縄座」の様子です。

〜浄土寺〜
京阪宇治バス「大宮道」下車、徒歩10分。


京都府、2月の歳時記
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